5Gって4Gよりとにかく速いってこと…?

気づけば世界は5Gの時代に。でも4Gの時と何がそんなに違うの?と思っている方はいらっしゃいませんか?スマホ画面の右上に5Gと表示されていたら、なんだかとりあえず通信が速くなっているのかな…?と思うくらいで、実際にはよくわからないというそこの貴方!良ければ少し一緒に学んでいきましょう。読み終わる頃には6Gを楽しみにしている自分がいるかもしれませんよ…?

そもそも〜Gって何?

〜Gとは何の略か〜

4Gや5Gの「G」は「Generation」すなわち「世代」という意味です。4Gや5Gというのは第4世代や第5世代と訳されていることもあります。そもそもこの〜Gというのは移動通信システムのことを指していて、無線(=持ち運びの出来る)通信技術のことです。昔は電話といえば電話回線に繋がっている固定電話、コンピューターは有線LANに接続して使うのが当たり前だったため、線を繋がずに通信出来ることの衝撃は計り知れなかったと想像出来ます。

〜1Gから3Gは勿論存在する〜

最近は4Gや5Gについてよく耳にしますが、勿論1G、2G、3Gも存在していました。この辺りの技術の変遷を少し説明していきます。

まず1Gとは1980年代に登場しました。当時は通話音声をFM変調により電波に乗せる単純なもので、通話しか出来ないものでした。また最初はとても重くて持ち歩けるものではなかったようです。車載型と呼ばれる車に乗せて使うものから登場し、徐々に軽量化が進んでいきました。

その後1990年代に入ると2Gが広まっていきます。2Gになって初めて携帯電話でメールやインターネットが使える時代になりました。それに伴い携帯電話の普及率は急速に広まっていきます。ちなみに1GではFM変調に電波を乗せるアナログ方式の通信でしたが、2Gからはデジタル方式となり、日本独自のPDC方式という方式を採用していました。画面がカラーになったり、カメラが搭載されたのもこの頃です。

2000年代に入って国際電気通信連合が「IMT 2000」の規格を定め、遂に移動通信技術が世界で統一されるようになりました。この規格に準拠したものが3Gと呼ばれているものです。主にフィーチャーフォン(ガラケー)で利用され、ここからデータの高速通信化が一気に進んでいきます。徐々に画像や動画の送受信にも対応出来るようになっていったのがこの時代です。

〜LTEの登場から4Gの時代へ〜

2010年代に入ると、音楽やゲーム・動画などのデータ量が多いコンテンツが普及し始めます。そこで必要になったデータ通信の更なる高速化に対応すべく、4Gの先駆けとしてLTE(Long Term Evolution)が登場します。3Gが最大約280Kbpsなのに対して、LTEは最大約150Mbpsです。当初のLTEは最大75Mbps程でしたが、それでもこの通信速度の進歩は世界を一気に変えてしまう程の進歩でした。スマートフォンの普及もLTEの技術があってこそと言えるでしょう。ちなみにLTEは通信速度が速く、電波が安定しているというメリットがある一方で、データ通信量には制限がありました。一度に大容量の通信が可能という訳では無かったため、1人当たりの通信量を制限することで、全員が安定して通信できる状況を維持していたということですね。この後に4Gが誕生して、現在ではLTEと4Gは殆ど同じものとして理解されていることも多いです。ただし厳密にはLTEは4Gの中の通信規格の一つという位置付けになります。最終的に4Gとしては最大1Gbpsまで通信速度が向上しました。4Gの時代はまさに「とにかく速くなった」の時代ですね。

5Gの特徴(4Gとの違い)

さて本題ですが、では4Gでスマホ対応レベルになった移動通信技術は、5Gになってどうなったのでしょうか。なんと!様々な性能が「10倍」進化しました!!!ではどのような性能が10倍良くなったのか、詳細を見ていきましょう。

〜高速大容量通信〜

あれ?さっきも高速って出てきたよね、と思った方。はい、その通りです。4Gで速くなった通信が、5Gになり更に速くなりました。4Gでは最大1Gbpsだったのが、5Gでは最大10Gbpsの水準まで引き上がり、約10倍速くなりました。細かな数字で挙げてもイメージが湧きにくいかと思うので具体的な話で挙げると、4Gでは8分程かかっていた長編映画のダウンロードが、5Gではわずか数秒でダウンロード出来るというレベルです。驚く程時間が短縮されていますね。ではどのような仕組みになっているかというと、4Gでは3.5Ghz以下の低周波を使用して通信をおこなっていたのですが、5Gでは3.7Ghz帯、4.5Ghz帯、28Ghzが使われます。高周波になる程、通信は高速になるのですが、一方で周波が届く距離が短くなります。そこを上手くカバーする技術を備えながら、バランス良く通信出来るようになったのが、5Gの画期的な技術進歩です。

〜低遅延〜

高速通信は前々から重要視されていたので、ピンとくる方も多いかと思います。では低遅延とはなんでしょうか?この「遅延」とは「要求した後にサーバーから応答がくるまでの待ち時間」のことです。例えば何かのスイッチを切り替えるためのボタンを押してから、実際に切り替わるまでのこのわずかな時間のことです。5Gで見込まれている遅延はわずか1ミリ秒で、4Gから10倍以上も改善されています。それってそんなに重要?と思われるかもしれませんが、自動運転や遠隔医療など、繊細な技術で高度な安全性を要求される分野においては、かなり重要な問題となります。今後の技術進歩を支える5Gの大きなメリットであることは間違いありません。普段あまり実感する機会は少ないかもしれませんが、私自身はオンラインゲームのラグが1ミリ秒でも改善されるなら大喜びという感想です(笑)

〜多数同時接続〜

これは聞き慣れなくても言葉通りなので意味がわかりやすいかと思います。1つの基地局で同時に接続できるデバイスが多いという意味です。多くの人が集まる場所に行くとインターネットに接続しづらい現象が起きることがありますが、これは1つの基地局に接続したいデバイスが多すぎてパンクしている状態です。これが5Gでは1㎢あたり最大で100万台のデバイスが接続可能と言われており、4Gの10倍のデバイスが接続可能となっております。人が密集した場所でもスマホ・タブレットがストレス無く使えるようになるのは、素晴らしいメリットですよね。また最近ではIoT(Internet of Things)と呼ばれる、インターネットに接続された機械や機器が増えてきました。例えばスマート家電と呼ばれる、センサーで照明をつけたり消したり出来るもの等はイメージしやすいかと思います。5Gの多数同時接続のメリットはこのようなIoTが更に増加していくことを見込んだ特徴とも言えるでしょう。

5Gの課題点

5Gには4Gを超えるメリットが多くありますが、現状課題点も残っています。

〜セキュリティ面の不安〜

個人的にこれは少し意外でした。進歩すればセキュリティは高くなるものとの感覚があったのですが、5Gでは少し状況が異なります。どういうことかと言うと、セキュリティ対策は勿論日々進歩しています。ただ5Gは多数同時接続というメリットを含んでいるため、今までよりも多くの物がインターネットを介して繋がることになり、結果その代償としてサイバー攻撃を受けたりするリスクが高まるという仕組みです。セキュリティ対策についてはイタチごっこ状態になっていますが、今後5Gがメジャーになるのであれば、更なる強化は必須と言えるでしょう。

〜対応エリアが限定的〜

徐々に増えつつはありますが、5Gの基地局はまだ全国津々浦々まで行き届いておらず、使えるエリアは限定的となっております。都心部ではほとんど使えるようになってきましたが、せっかく5Gのスマホを購入したのに、自宅は対応エリアじゃなかったということが起きないように注意が必要です。

まとめ

移動通信技術について、そして5Gについて、その技術変遷からメリット・デメリットと学んできましたが、いかがだったでしょうか?およそ10年単位で確実な進歩を遂げてきた移動通信技術ですが、約50年前には全く想像も出来なかった世界を現在私たちは普通に生きています。あと10年経ったらどうなるのか。現在研究と開発が進められている6Gのお話については、また次回以降にでもご紹介していきたいと思います。お楽しみに!

(中村 美菜)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です