メタバース〜好きな空間・理想の姿で叶える夢〜

もっと自分がカッコ良かったらor可愛かったら…積極的に話しかけて友達や知人を沢山作って、ちょっと人前に立って注目を浴びたりなんかしたりしてたかも…。あるいは東京スカイツリーが一望できる地上30階の最新オフィスで、おしゃれで洗練されたインテリアに囲まれて、優雅に仕事が出来ていたら…。そんな現実とは異なる理想を夢見たことは、誰もが一度はあるかと思います。今回はそんな理想を叶えてくれる可能性を秘めたITテクノロジー、メタバース(=仮想空間)のお話。

メタバースって何?VRとは違うの?

〜メタバースの意味〜

そもそもメタバースとは、「meta」=「超越した」と「universe」=「宇宙」を組み合わせた造語で、インターネット上の仮想空間のことです。わかりやすくイメージするなら、ゲームの中の世界を想像するといいと思います。ゲームも仮想空間の一種ですが、メタバースとの大きな違いはその「自由度」「現実世界との融合性」にあると思います。

〜メタバースの特徴①自由度〜

基本的にゲームでは、既に作られた世界の中を主人公となる自分が探検するという物語の中に、自分自身は存在しています。一方メタバースは、その世界を自分で作ることが出来て、自分自身を作るのもまた自分という、とんでもなく自由なもの。そこで何をするかもまた自由。自由が多すぎて、そろそろゲシュタルト崩壊を起こしそうですね。
つまりメタバースとは「自由に作った空間で」「自由に決めた外見で」「自由になんでも出来る」、そのような架空の場所というところでしょうか。

〜メタバースの特徴②現実世界との融合性〜

メタバースでは、SNS上での繋がりのような、リアルと融合した部分も特徴的です。現実世界と時間がリンクしており、人とのコミュニケーションもリアルタイムで行うことが出来ます。また後述するVRの技術を用いた没入感も大きな特徴です。画面を通してその世界を見ているのではなく、実際に自分がその世界に存在しているような感覚を味わうことが出来るため、コミュニケーションや行動もリアルなものとして感じることが出来ます。

〜VRとの違い〜

VRはVirtualRealityのことですが、これは仮想空間に入って現実世界と同様の体験をすることが出来る技術そのもののことを指します。例としてはVRゴーグルが一番わかりやすいかなと思います。メタバースという架空の場所にVRという技術を使って入ると、現実世界と同じような感覚を味わうことが出来る。そうイメージしてもらえると良いかと思います。この2つは一見同じような意味だと捉えられがちかと思いますので、ご注意ください。ちなみに私は大体同じものだと思っていましたので、ご安心を(笑)

メタバースで使う基本用語を知っておこう

〜ワールド〜

各々が作る仮想空間のこと。

〜アバター〜

メタバース上で「自分自身」を表したキャラクターのこと。アバターの容貌や体格は、自分の好きなように設定出来る。

〜スキン〜

メタバース上のアバターに装着できる衣類・アクセサリー等のこと。これもアバター同様、自由に着せ替えたり付け替えたりすることが可能。

メタバース事例の紹介

〜バーチャル東大〜

新型コロナウイルスが世界中に蔓延していた2020年。体育祭や修学旅行等の行事が全て中止となる中、高校生の進路決定の重要な鍵を握る一つであるオープンキャンパスも例外ではありませんでした。そんな中、作成されたのがバーチャル東大。「赤門」「安田講堂」など、東大の象徴とされるスポットがメタバース空間に再現され、自宅からスマートフォンやパソコンでアクセスして東大内を散策できるように。現在も勿論アクセス出来るので、私も散策してみましたが、かなり高い再現度で作られているように感じました。(私は現物を見たことはないのですが…笑)。講堂内ではセミナーやイベントが告知され、キャンパス内では在学中の学生のインタビュー動画が流れています。例えば受験勉強が本当に辛くなった時に、来年度は自分はあそこにいるんだと、モチベーションを維持してくれるきっかけの一つになるかもしれません。「いつでもどこからでも何度でも」、そんなメタバース空間の長所が活かされている一例だと感じました。

〜バーチャル道頓堀ダイブ集会〜

せっかく阪神が”アレ”したので…一番最近のホットなメタバースの話題も紹介しておきます。阪神タイガースのアレとなれば、そう!道頓堀は警察官が大量に配備され、最大級の厳戒態勢を強いられることになります。迷惑な迷惑なお話。とはいえ、18年ぶりのアレ!阪神ファンは喜びを爆発させたいねんと。そこで有志の方による「バーチャル道頓堀でダイブしよう集会」が誕生したそうです。阪神のアレに合わせてSNS等でもイベントを告知。そしてついにその瞬間、阪神のアレと同時に景気良くアバターがポンポンと飛び込んでいく、異常な光景(笑)でも大丈夫。この世界での道頓堀への飛び込みは、迷惑行為でも危険行為でもありません。「現実では実現出来ないことをメタバース空間に持ち込んだら体験出来る」というメタバースのメリットを上手く活用した事例だなと、個人的にはしみじみと興味深く眺めておりました。

メタバースの課題

〜デバイスの普及と進歩〜

メタバースの特徴として挙げた通り、没入感が大きな長所ではありますが、実際に体験してみると現状のVR機器ではまだ現実世界とは程遠いクオリティであることは正直否めません。また比較的安価で手に入るようになりつつあるものの、メタバース空間を楽しむためにはVRゴーグルがメジャーなデバイスで、あの大きな機械を装着しなければ楽しめないという点もかなり面倒と言えると思います。この辺りのデバイスの普及と進歩というところは、今後どこまでメタバースが広まっていくかの大きな鍵となってくるでしょう。例えばバーチャルオフィスで仕事をするとしても、何時間もVRゴーグルをかけたまま仕事…なんて頭痛や眼精疲労の健康被害が進むだけで、よっぽどのメリットがないと広まりそうにないですよね。

〜メタバース空間内での法的整備〜

近年SNSの普及に伴い、誹謗中傷等の行為に対する是非がかなり問題になっています。離れたところから匿名で攻撃出来てしまう性質上、過激になることが多くて被害も拡大しやすいです。一方で言論の自由も守られなければなりません。誹謗中傷等の加害者に関して情報開示義務が法的に整備されつつありますが、メタバースが今後日常に広まっていくと、こちらでも様々な面で問題が生じることは既に予想されます。現在の法律は現実世界での行為が基本となって作られているので、何か問題が起きてもメタバース空間には適用されないものが多いです。単純に趣味や遊びで使う分にはそこまで大きな問題にはならないかもしれませんが、今後ビジネスの分野にも浸透していくのであれば、法的整備は必須と言えるでしょう。メタバース空間内での行為に対して、ワールドやアバターの著作権に関して、また国境を超えた人々との交流に関して、どの法律を適用していくのか法律面での課題は山積みです。

メタバースについてのまとめ

色々と課題はありますが、技術革新のスピードが年々上がっていることも踏まえると、いずれメタバースが現実世界と変わらない割合で人々の活動拠点となる可能性は非常に高いと思います。そしてそこには、「なりたい自分になれる」「出来なかったことが出来る」、そんな未来が必ず待っていると思います。しかし「今までも出来たこと」というのは逆にメタバースは現実世界を凌駕することはないでしょう。全て自由だからこそ、今後メタバースを活用して、一体「何をするのか」。今からワクワクが止まりません。様々な分野で既にメタバースの利用が試行されつつあります。まだまだ発展途上の技術ではありますが、だからこそ最新事例になれる。私自身もお客さまにとって当社にとって、何か出来ることはあるか、考え続けたいと思います。

(中村 美菜)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です