皆様こんにちは。
Lv4ではネットワーク編を解説してまいりました。
おさらいですが、限定された範囲で通信をするLANと、各LANをつなぎ通信をするWANというネットワークがありました。
これらのネットワークでの通信は、あるルールにしたがっています。
Lv5では、各ネットワークがどのようにして世界中のコンピュータと通信しているのかを取り上げてまいります。
それでは本日も見てまいりましょう!

データ通信のルール
突然ですが、私たちの生活にはルールがあります。
狭い範囲だと学校の校則や会社の就業規則、少し範囲を広げるとお買い物をした際には売買契約という契約をしています。
原則的に契約は申込と承諾という意思の一致で効力が発生しますが、後で揉めると困るので書面に起こして当事者間でのルールとします。
お買い物一つを見ても、このようにルールが取り決められます。
ではコンピュータの世界のルールはどうでしょうか。
世界各国のユーザー各自が、至高のオレ流を貫き通信を行うことは難しいです。
というか無理ですよね…文化や価値観も違いますし。
そこで通信をする際には、通信プロトコルという共通のルールにしたがいます。
この通信プロトコルには、OSIモデルとTCP/IPプロトコルいう共通ルールがあります。
OSIモデルは、通信プロトコルの標準化を目的とした概念的なモデルです。
OSIモデルは以下の7つの層から構成されます。
- 物理層: データの物理的な転送、ケーブルなどの物理的なつながりを定める
- データリンク層: 接続機器間でのデータ転送方法を定める
- ネットワーク層: パケットのルーティング、最適な通信の経路を定める
- トランスポート層: エンドツーエンドの通信管理、通信の信頼性確保を定める
- セッション層: セッションの管理、通信の開始や終了の方法を定める
- プレゼンテーション層: データの表現形式の変換方法を定める
- アプリケーション層: ユーザーアプリケーションとのインターフェースを定める
そしてTCP/IPは、概念的なOSIモデルを、実際の通信へと実装したものとなります。
以下の4つの層から構成されます。
①ネットワークインターフェース層: 物理的な通信手段(Ethernetなど)
②インターネット層: IP(データグラムの転送)
③トランスポート層: TCP(信頼性のある通信)、UDP(信頼性のない通信)
④アプリケーション層: HTTP、FTP、SMTPなど
それぞれの具体的な説明は後ほど行いますが、OSIモデルを実用化したTCP/IPとの対応関係は以下のようになります。
①のネットワークインターフェース層は、1 物理層と2 データリンク層に対応。
②のインターネット層は、3 ネットワーク層に対応。
③のトランスポート層は、4 トランスポート層と対応。
④のアプリケーション層は、5 セッション層 6 プレゼンテーション層 7 アプリケーション層に対応。
さて、ややこしくなってまいりました。ここまでを図にします。

前述の通り、OSIモデルは通信プロトコルの概念的モデルであり、それを実装したものがTCP/IPプロトコルとなります。
おそらくITパスポート試験だとTCP/IPプロトコルの方が出題されやすい気がしますが、念のため各通信モデルの対応関係を押さえておきましょう。
本日は通信プロトコルの総論を見てまいりました。
次回から、TCP/IPプロトコルの各層を見てまいります。
本日もご覧いただきありがとうございました。
小林 大洸