メインマシンで使っているMacbook Pro(15inch, 2019)。開発で酷使したせいかバッテリーの持ちが悪くなり、警告まで出るようになりました。Apple Storeで検査してもらったところ、6つあるバッテリモジュールの1つが故障しており、交換必須との診断結果。交換は預り修理で、1週間程度かかり、その間代替機が必要になります。
今後、突然メインマシンが壊れるリスクもあるので予備を一台確保したいですし、ちょっとした外出時の軽量なサブマシンがあると嬉しい。そんなわけで、昨年発売されたM1 Macの購入を検討することになったのでした。
M1 Macの登場

2020年のApple Silicon (M1)搭載Macの登場は嬉しい驚きでした。
MacのCPU変更は3回目です。初期のMacはモトローラ社の68000系が使われていて、その後IBM・モトローラ・Appleで開発したPower PCに変更されました。2006年からはIntel CPUを搭載した機種が登場し、長い間Intel Macの時代が続きました。今回のM1 Macはそれ以来のアーキテクチャ変更で、新しい時代の幕開けを感じさせます。
そのコストパフォーマンスは圧倒的で、Macbook Airで言えば、10万円程度のエントリーモデルでも、高い値段を出して購入した以前のIntel Macbook Proと処理性能は変わらないか、もしかしたら上かもしれないほど。
これからさらに高性能なモデルが出ることも期待され、今後の展開が楽しみです。
M1 Macのオススメ購入方法
一般的なモデルなら、家電量販店やネットショップで安いものを探せば良いと思いますが、カスタマイズするならApple Storeになります。
今回、M1 Macbook AirをカスタマイズしたかったのでApple Storeで購入しようとしたら、ちょうど就職・進学シーズンだったためか納期が3週間くらいかかります。かといって、ネットショップだと標準仕様のモデルしか扱っていません。そんなときにオススメなのがアップル認定整備済製品です。
- 最新モデルが安く手に入る(今回の場合、定価の約15%off)
- メモリ、SSDを増設したモデルも出回っている(今回はメモリ16GB、SSD512GBを選択)
- 新品と見比べても遜色ない(見た目は新品と変わらない)
- 短納期(注文して翌日に届いた)
- 公式の整備品なので故障等のトラブルのリスクが低い。AppleCare+にも加入可能。
いいことずくめですが、狙った機種が欲しい時に出品されているとは限らないので注意が必要です。M1 Macbook Airはすぐに売れるので、日々入荷状況をチェックして条件に合うものを数日待ちました。本当は英字キーボードにしたかったのですが、さすがに出品がなく、妥協しました。
あと、故障に備えて保証・保険をつけておくと安心です。公式のAppleCare+は少々お高めですが、メーカー保証なので安心出来ますし、バッテリー不良や、キーの破損などには無償で対応してくれることもあり、加入する価値はあると思います。安くあげたいなら、ショップや保険会社の保証サービスに加入するという方法もあります。
M1 Macbook Airの使用感

外観
- 当然ながら、15inchモデルに比べて画面サイズは一回り小さいです。解像度は、2560×1600。左のMacbook Proは2880×1800。
- ディスプレイは明るくなり、400ニトの輝度だそうです。
- Touch Barの代わりにFunctionキー+Touch ID
速度
- アプリの動作は全体的にキビキビしていて、ストレスがなく快適。
- 3倍近い値段で購入したMacbookPro2019(Core i9)と比べても、速度で負けていない。
発熱・消費電力
- よくレビューで「全然熱くならない」といった記事を見ますが、Docker, PosgreSQL, HTTPサーバ×2のような構成にしたり、Scalaのコンパイルを行ったりすると、かなり高温になり、バッテリーの消費も激しいです。 熱はプロセッサの性能にも影響するので、ヘビーユーザーは熱対策を考えた方が良さそうです。
- とはいえ、ファンレスなのにファン付のIntel Macよりはマシな気がするので、十分健闘していると言えるでしょう。
互換性
- Webブラウズや文書作成、動画・音楽の視聴など、一般的な使用には全く支障ありません。
- 開発での利用について、よく使っている開発ツールは殆んどNative M1対応していました。nodeがNativeで動かせなかったのですが、それもRosetta2で問題なく動きました。
- 各種ソフトのM1対応については、以下サイトにまとめがあります。
https://isapplesiliconready.com/for/productivity - 互換性で問題となったのは以下の2点。
- Docker → 普通にdocker buildすると、arm64のイメージになってしまうので、AWSなどにデプロイするときは、linux/386などの指定が必要。cross platformイメージを作ることが出来るdocker buildxを使う手もありそう。
- Windows(Parallels) → これまでWindows環境での動作確認に使っていたParallelsのWindows10が動きません。ParallelsがArm64版のWindowsに対応したものの、Microsoft側のライセンスの問題でArm64 Windowsは入手出来ないという記事を見たので、将来的には解消されるかもしれません。
最後に
M1搭載のMacを総括すると、一般的な用途にも開発にも使える、高性能で優れた製品で、良い買い物だったと思います。上記の通り、一部の開発用途で互換性の問題がありますが、それも時間の問題で近いうちに解消されるでしょう。
現在、M1 MacのノートPCは13inchモデル2機種のみで、メモリは最大16GB。今後さらに大画面・大容量の機種(M2?)が出たら、メインマシンの乗り換えも考えたいと思います。