起業で一番大切なこと

起業において、一番大切なことは何でしょうか?
 ビジネスモデル、資金、人脈、行動力… 大切なことは色々ありますが、最も大切なのは、「健康」だと思います。 私自身、今回の起業で体調面でつまづき、その大切さを痛感することになりました。

謎の発疹

 10月も末のある日、インフルエンザの予防接種を受けた翌日から、身体のあちこちに白い芯のある発疹が出はじめました。細菌感染が疑われ、近所の皮膚科で抗生物質の入った錠剤と塗り薬を処方されました。
 しかし、一週間経っても、治るどころか痛みは増すばかり。腹部、太股、上腕に多数生じた発疹は赤黒く硬く腫れ上がり、 大きいものは直径15cm、高さ3cmほどに。ズボンを履くだけで痛みが走り、立っても座っても痛みが収まりません。
 もう一度皮膚科にいったところ、すぐに大学病院宛の紹介状を渡されました。その足で大学病院に向かい、診察室で発疹を見せると、ベテラン医師は開口一番、

「すぐ入院が必要です。」

 まさかそんな重症とは思いもよらず、とりあえず着のみ着のままで入院を開始することになりました。

人生初の入院

 初日はまず検査用に血液や組織の採取。午後には病室も決まり、車椅子で病棟に運ばれ、ベッドに横たわりました。検査の結果はすぐには分かりませんでしたが、週末を挟んで原因はMRSAと呼ばれる抗生物質に耐性のある細菌と判明。後日分かったのですが、MRSAの中でもPVL毒素というものを出す厄介なものだったようです。

 入院中、少しでも仕事が出来ないかと妻にPCを持ってきてもらいました。しかし、いざ仕事をしようとしても座る姿勢を続けられません。
 毎日の腫瘍の処置と4回に分けての点滴。痛みの激しさで起き上がるのも辛く、頭も思うように働きません。まともに作業が出来たのは、症状が軽くなった最後の2日くらいで、ほぼ仕事になりませんでした。

 結局入院期間は11日間にわたりました。医師からは入院の継続を勧められましたが、痛みが収まってきたことと、これ以上仕事を休むわけにもいかないので、定期的な通院を前提に退院ということにして頂きました。

 入院の間、仕事の予定は完全にストップ。予定していた子供の保育園や習い事ヘの送迎も共働きの妻に任せることとなり、取引先や家族に多大な迷惑をかけることになりました。また、入院費用もかなりの額になり、経済的にも痛手をうけました。

健康管理への意識改革

 マンガなら「病弱だが優秀」というキャラもいますが、現実には病気になると、頭も働かず、気力も衰え、仕事どころではありません。心身の健康は能力に直結します。
 大手企業に勤めていたときは、誰かが急に休んでも、上司や周囲のメンバーでカバーしていましたし、危機管理の意味でも個人に頼り切りにならず、チームでカバー出来る体制を作っておくことがマネージャーの責務と考えていました。 裏を返せば、体調を崩して休んでも、他のメンバーに頼ることが出来るので、多少無理をしてもどうにかなるという甘えが心のどこかにあったことは否めません。
 しかし、小さい会社になるとそうはいきません。経営者が倒れたら会社が傾きます。体調をコントロールすることは、最重要課題です。
 今回の病気は原因不明とはいえ、細菌感染ですから、

  • 手洗い・うがいを徹底する
  • 鼻や喉の調子が悪いときは早期に治療しておく
  • 傷口から細菌感染することもあるので、ちょっとした傷でもケアをする

といった日常の対策を怠っていたことが反省点です。

 また、年齢とともに、体力や免疫も衰えつつあります。下の子も腹部に私と同様の発疹が2つほど出たのですが、ほとんど症状もないまま治ってしまいました。
 若い時のように無理は効かないことを自覚し、常に体調に気を配り、計画的に仕事や生活に臨む。
 そのような思いを新たにする契機となった、今回の入院でした。

 これから起業される方には、病気などされぬよう健康に十分ご留意頂くとともに、健康保険や医療保険など、万一への備えも漏れのないよう準備しておかれることをお勧めします。

 最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

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