IT業界の二刀流

大谷翔平の活躍

今年は大谷翔平さんの素晴らしい活躍が世間の注目を集めました。日本人がMLB初の50-50を達成するとは想像もできませんでした。連日の明るいニュースに、何度となく励まされたことを思い出します。

大谷選手といえば二刀流です。投手としてもバッターとしてもトップクラスの実力を持つ、唯一無二の存在です。

では、「IT業界の二刀流」と言えばどんな人だろう?ということがふと気になり、考えてみました。

IT業界の二刀流

IT業界で「二刀流」をあらためて考えてみると、様々な人物像が考えられます。こちらの記事ではエンジニアの色々な二刀流の例が紹介されていて面白く読ませて頂きました。

二刀流というからには、2つの柱それぞれがプロフェッショナルとして高いレベルにある必要があるでしょう。プログラマーとして高い能力を持ち、かつ話が上手な人がいたとしても、それは「コミュニケーション力が高いプログラマー」であって、二刀流とは違う気がします。

考えられる二刀流のパターンを幾つか挙げてみます。

●●エンジニア × ▲▲エンジニア

開発エンジニア × インフラエンジニアのように、異なる領域の技術スキルをあわせ持つ人が該当します。「フルスタックエンジニア」と呼ばれる人もこのカテゴリになるでしょう。

このような人は、開発案件でユーティリティプレイヤーとして担当領域を広範にカバーできるというだけでなく、複数の領域を俯瞰したうえでの問題点の指摘や、全体最適を考慮した検討が可能であるなど、二刀流ならではの強みを持っており、頼もしい存在です。

また、幅広い領域をカバーできる人は、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーとしての適性も高いため、組織内でのキャリアアップも期待できます。

エンジニア × 全く無関係な職業

Webで検索したところ、デザイナー/撮影 × エンジニア、医師 × エンジニアなどの二刀流をされている方を見つけました。

変わったパターンとしては、漁師 × エンジニア、アイドル × エンジニアというのもありました。

単に2つの全く違う仕事をやっているだけ、という場合もありますが、無関係な業界にITを取り入れることで新しい価値を生み出そうとしている方もいらっしゃいます。「アナログな世界でやっているのでITは分かりません」という人が大半を占める中、ITを切り口とした新たな活動やサービスを生み出そうとしている方には敬意を表します。

ビジネス × 技術

ビジネスや業界についての知識が豊富で、コンサルティングと開発を両方こなす人、などが該当します。エンジニア出身の経営者で、現役でエンジニアとしても活躍されている方もよく見かけます。

優れた技術も、ユーザーニーズとうまく合わなければ日の目を見ずに終わってしまいます。逆にビジネス目標を十分理解しないまま技術チームが動けば、ユーザーの求めているものとかけ離れたシステムが出来上がります。こうした失敗は何度となく見てきました。その意味で、ビジネスと技術の橋渡しができる人は大変貴重な存在です。

二刀流を目指すべき?

二刀流はユニークで魅力的な存在で、憧れる人も多いでしょう。しかし、二刀流を目指すのは容易なことではありません。大谷翔平選手が二刀流を実現するために膨大な努力を重ねているように、IT業界でも異なるスキルや役割を並行して習得するのは非常に大変です。

まずは自分の得意な分野や基盤となるスキルを一つ極め、そこでの成果を積み上げていくことが重要です。その後、必要に応じて他のスキルを学び、少しずつ役割を広げていく中で、二刀流を目指すかどうかを考えていくことになるでしょう。

二刀流の良いところは、「変化に強い」という点です。
過去の歴史を見ても、技術のトレンドは時代とともに変化します。「この技術を身に付ければ一生安泰」と言えるものはありません。特定の技術領域一本でやっていこうとすると、その技術が衰退したときに苦しむことになります。

また、複数の異なるテーマに取り組むことで、より多くの刺激を受け、視野が広がるのもメリットです。性格にもよりますが、一つのことだけ続けていると、行き詰まったり、飽きてしまったりして、ストレスを感じる人もいます。そのような方にとっては、少し大変ですが、二刀流を目指した方が結果的にストレスが無くなるかもしれません。

二刀流は楽ではありませんし、誰もが向いているとは言えません。
しかし、変化のスピードがどんどん速まっている昨今、幅広い領域で活躍できることは大きな強みになります。ハードルは高くともチャレンジする価値は十分にあります。

最後に

二刀流は非常に難しいチャレンジです。

それを世界最高レベルで続けている大谷選手は、まさに奇跡の存在と言えるでしょう。

私自身、そんな大谷選手にあやかって、様々なお客様に様々な領域で貢献できるよう努めていきたいと思います。

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