コバヤシクエストLv2〜PC5大装置とは②〜
演算装置 制御装置
前回の記事の続きとなります。本日は演算装置と制御装置について解説をいたします。
まず演算装置は、算術演算や論理演算などのデータ処理を行います。
制御装置は、プログラムの命令を解釈し、それに基づいてコンピュータ内部の各装置を統制・制御します。
…まあ、そうでしょうけど分かりにくい…
抽象的ですので少したとえを出すとするなら、制御装置が工場の管理者や工場長、演算措置がそこで働く職人さんといったイメージです。
そこでは、工場長が作業の計画を立てて指示を出します。その指示に沿って職人さんが作業を行います。
工場長だけがいても作業は進みませんし、職人さんだけでも次の作業を全体的に把握して進捗管理ができない関係と覚えます。

今回は解説の便宜として演算装置と制御装置を合わせて説明をして参ります。
•CPUの中には演算装置と制御装置があります。そのためCPUはPCの司令塔としてデータの演算や制御処理を行います。
このCPUの処理速度をクロック数と表現されます。PC内では様々な処理が行われているため処理テンポを合わせるために用いられます。
一秒間に繰り返されるクロック回数をクロック周波数と言います。
例えるなら人間世界と同様にPC内でも協調性がタイセツということですね。

•CPU内に計算を行うための保存領域としてレジスタというものがあります。容量が小さい一方で、非常に高速処理が可能です。
しかしメインメモリとレジスタ(CPU内)の処理速度の差が大きいので、それを埋める必要があります。
そのためレジスタとメインメモリの間にキャッシュメモリという一時保存装置を置き処理を高速化します。このことをキャッシュ機能と言います。
メインメモリよりもさらに小さい作業テーブルを置いて高速で処理をするイメージです。
このキャッシュメモリもメインメモリと同様に揮発性となります。
•ここでレジスタとメインメモリの処理速度差を調整するキャッシュメモリという単語が出てきたので、比較としてディスクキャッシュについて説明をします。
ディスクキャッシュとはメインメモリとHDDやSSDといった補助記憶装置との間に存在します。
前回の記事でも触れましたが、補助記憶装置はデータを格納する本棚のイメージであるため、処理速度はメインメモリの方が早いです。
その処理速度差を埋めるためにディスクキャッシュが置かれています。
まとめると、レジスタとメインメモリの処理速度差を埋めるのがキャッシュメモリ。メインメモリと補助記憶装置の処理速度差を埋めるのがディスクキャッシュとなります。
速い、小容量 | 遅い、大容量 | |||
レジスタ | キャッシュメモリ | メインメモリ | ディスクキャッシュ | HDD /SSD |
SRAMとDRAM
•キャッシュメモリとディスクキャッシュの比較に関連して、揮発性のRAM(Random Access Memory)というものがあります。
このRAMはキャッシュメモリに用いられるSRAMとメインメモリやディスクキャッシュに用いられるDRAMに分かれます。
SRAMはキャッシュメモリに利用されるだけあって、非常に高速処理が可能です。
リフレッシュという記憶保持のための電荷補充作業が不要なフリップフロップ回路を用います。
とにかくスピードが速いRAMなので『S』RAMです。
•他方でDRAMは、電荷補充作業としてリフレッシュが必要であり処理速度が遅いです。
電荷が必要なので「D」RAMと覚えます。
もっとも、最近ではDRAMの処理速度も向上しており、DDR SDRAMというものが利用されています。
少し複雑になって参りましたが、そもそも遅いDRAMが進化しスピードアップしたということでDDR「S」DRAMと覚えます。

さて、ここまでPCの5大装置の概要について見て参りました。
前回から引き続きで長くなりましたので簡単なまとめ図となります。

それぞれの関係性を比較して体系的に理解する事が大切ですね。
それでは皆様ご覧いただきありがとうございました。
小林 大洸